マイボーム腺機能不全を改善する新たな治療法として、IPL(Intense Pulse Light)治療が登場し、注目を集めています。
IPL機器は長年に渡り、身体を温めて炎症を取り除くために使用されてきた医療用光治療機器です。
また美容外科領域ではフォトフェイシャルとも呼ばれシミ、くすみの治療、一部の脱毛にも使われている一般的な装置です。
以下の効果を期待して、MGD治療に用いることが 報告されています。
IPL によりMGD・ドライアイの改善が目指せます。
ドライアイは、目を守るのに欠かせない涙の量が不足したり、涙の質のバランスが崩れることによって涙が均等に行きわたらなくなり、目の表面に傷が生じる病気です。高齢化、エアコンの使用、パソコンやスマートフォンの使用、コンタクトレンズ装用者の増加に伴い、ドライアイ患者さんも増えており、その数は2,200万人ともいわれています。
また、「まばたき」は、涙の分泌を促す刺激となって涙を出したり、目の表面に涙を均等に行きわたらせるはたらきを担ってい ます。
ドライアイ患者さんは、目が乾くなど典型的なドライアイ症状だけでなく、様々な症状に悩まされています。
眼の健康に「涙」は欠かせません。涙の大部分は水分(水層)ですが、その水分が蒸発しないように、外側に1 層の薄い油の層(油層)がのっています。
この油を分泌しているのがまぶたの中にあるマイボーム腺です。
このマイボーム腺の機能がなんらかの原因で低下してしまう病気を、マイボーム腺機能不全(Meibomian Gland Dysfunction, MGD:以下、MGD と略します)といい、ドライアイ症状や眼不快感が引き起こされます。
治療部位もしくはその周辺の皮膚が一時的に敏感になっている可能性があるため、強くこすったりせず、また日焼け止めをしっかり塗るよう心がけてください。
以下のような、照射に向かない方もいらっしゃいますので、事前にご相談ください。
病院で処方されるお薬以外に、患者さんがご自宅で毎日行うと効果が高まる方法(マイボケア)をご紹介します。
眼の周辺を温めることで、マイボーム腺のつまりを緩和します。
日本では市販品で5 種類以上の温罨法のためのグッズが手に入ります。
実際に温罨法を行った方たちからは、「気持ちいい」「目が楽になる」「目があけやすくなる」など、喜びの声が届いています。
眼瞼清拭は汚れたマイボーム腺からの脂の排出を促進し、固まってしまった脂や角化物のつまりの除去、およびマイボーム腺周囲の細菌量の減少を目的として行います。
指のはらで睫毛の根元周囲をやさしくマッサージするように行うとよいでしょう。
温罨法と併用するとさらに効果的です。