白内障の治療では濁った水晶体を取りのぞいて、人工の水晶体として眼内レンズを入れる手術をします。
眼内レンズには「単焦点眼内レンズ」と「多焦点眼内レンズ」の二種類があります。
多焦点眼内レンズは単焦点眼内レンズと異なり、近くと遠くの両方にピントを合わせることでができます。単焦点眼内レンズと比べて、暗いところ(夜間)で光を見た時に光を眩しく感じたり、ぼやけて見えることが起きやすくなります。
ピントを合わせる調整力がありません。遠くに合わせると近くが見えなくなり、近くに合わせると遠くが見えなくなります。手元を見る時にはピントが合いませんので、近用眼鏡が必要になります。
■見える範囲
狭い 手元から遠くまでのある1点のみ よく見える。
■見える質
良い ピントが合う1点はとても良い。
遠くと近くの両方にピントを合わせることができます。近くも遠くもしっかりと見ることができる実用的なレンズです。
ただし、自由にピントを変えることができる若い頃の見え方を再現できるわけではありません。
非常に実用的である多焦点眼内レンズですが、以下のような方は適応が困難です。
■見える範囲
広い 手元から遠くまで見える。
■見える質
おおむね良い ピントが少しあまい。
【注意点】
夜間の車のライトなどが眩しく見えたり(グレア)、光の輪が見える事(ハロー)が起こりやすくなると言われています。手術後の時間の経過と共に慣れてくると言われています。かなり個人差があり、知覚されない方は多数あります。
手術のやり方は多焦点眼内レンズを使用する場合も単焦点眼内レンズを使用する場合も手術方法は同じになります。 多焦点眼内レンズは厚生労働省が認める先進医療となります。多焦点眼内レンズを使用する白内障手術は健康保険対象外のため、自費負担となります。